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06〜07シーズン研修会理論について
SAJスキー教程「技術と指導」が出版され3シーズン目の06〜07シーズンの指導員研修会理論について考えてみたいと思います思います。
→神奈川県スキー連盟指導員研修会理論を参照してください。
■向心力を得るための原因と結果
ここから少しみていきましょう。この部分、力学を理解していない典型的な間違いで、もともと遠心力というのは存在しない力(見かけの力)で、外から見たら向心力だけしかありません。ところが、円運動している当人を基準として考えると遠心力を感じることになります。外界からか円運動している当人かどっちを基準にとるかという話で表現が変わってくるということです。遠心力も向心力も、座標系が違うだけで、どちらも向心力を現しているだけです。つまり1つしかないものです。で、市野氏の間違いは、向心力(外界に基準をとったときの本当の力)と遠心力(円軌道に基準をとったときの見かけの力)を一緒に考えてしまって、それが釣り合うと考えてしまうことです。よく出てくる遠心力と向心力の釣り合いの図は厳密には間違いで、好意的に解釈すれば作用に対する反作用を描いているというところでしょうか?
■スキーモデル
神奈川県スキー連盟HPの動画をご覧いただきたいのですが、市野氏解説のような動きはしておりません。模型スキートップが浮くときに山側に回りこみ、落ちるときにはほぼ鉛直方向に落ちています。横(スキーサイドウォール)方向には沈んでいません。あえて言えば横軸方向にではなく縦軸方向に落下しています(笑)。
研修会講演での「仮説」の動き↑ 画像を正しく考察したスキーの動き↑
実験を行っても、正しく考察しなければ
意味がありません。
■重力によって向心力を得る2つの方法(スライド11)
上にも書きましたように力学の詳しい知識がないと、力を釣り合いでついつい考えてしまいますが、動いているものに対しては釣り合い条件では働いている力は計算できません。そこでスライド11ですが、まさに釣り合い条件だけで描いてある訳で、まったく意味がありません。素人をだましていると言っても良いでしょう。断面のスキー下の小さい斜面から力を受けるのではなくて、大きな雪面から抵抗(摩擦抵抗、せん断抵抗、除雪抵抗などなど)を雪面と並行方向に受けると考えるのが適切であるといえます。あるいは、きちんと細かく考えるなら、スキー下の雪面がスキーを支えるだけの強度があるかどうか、支えきれずに崩れるとしたらその時に発生するせん断抵抗などの力の方向がどうなるのかを考える必要があります。多くの場合、このような力は雪面に平行な方向に働くと考えられます。このスライド11断面図で一度だまされてしまうとなかなか洗脳から抜け出せません(笑)。
■斜滑降という概念がまったく変ってくる
>斜滑降というのは、水平面に対してスキーの横軸がフラットになりますので、
>左右に重力による落下の力が働きませんので、縦軸方向だけに滑ります。
>水平面に対してフラットなスキーは直線運動をします。

これについてはすでに斜滑降についてにて説明してありますのでクリックしてご覧ください。
☆スライド11〜13とスライド17について
スライド11の解説では水平面より山側に傾け(水平面に対して+の角づけ)で山回り、水平面に対して谷側に倒れる(水平面に対して−の角づけ)で横滑りと言っているのに、スライド17では【角づけ(外)山回り・横滑り】と書いてあります。おかしいですね〜。水平面理論では水平面に対して−の角づけで山回りするメカニズムは一切示されておりません。水平面理論では水平面に対して−の角づけで谷側へ落下すると言っておりますが、落下したスキーがどうやって山回りするのでしょうか?これについては一切説明されていません。常々市野氏は水平面に対する角づけでターンが定義されるといわれておりますが、谷まわりターンについてみてみれば斜面に対して角づけされなければ谷まわりターンが始まりません。水平面理論ではターンを定義できないことを自らスライド17に書いています。
・補足
ここからは少し個人的な感想も含めて書いてみたいと思います。

講演のなかで驚いたのは「〜仮説的な理論〜」のくだり!全日本スキー連盟オフィシャルメソッドが「仮説」で出版されたと公言してしまっていること。仮説が全日本スキー教程になっていたのです。恐ろしいことです。

2軸理論の部分では
>中心軸、2軸とごちゃごちゃ言わないで、全部2軸で考えようということです。
>事前に2軸で、動物も全部2軸なので、スキーも2軸で考えたい。

現在いろいろなスポーツで2軸理論が言われておりますがどれも明確なものはありません。驚かされるところは「事前に2軸で、動物も全部2軸なので」の部分。動物が全部2軸などどこに証明されているのでしょうか?実際に動物を考察しているのでしょうか?
また過去の技術に対する誤解。講演の中でもたびたび出てきていますが過去の教程は「筋力でスキーをまわす」の部分。筋力でスキーをまわすなどということは世界中どこの教程にもありません。どこの国のメソッドだって、雪から抵抗を受けてまわると書いてある。過去のSAJ教程にもちゃんと除雪抵抗と言う言葉はあったんですよ。迎え角も。

またテレマークとは締め具の構造が違うのに、普通のアルペンスキーでも同じ動作をしろといっているところなど理解に苦しみます。
ご意見はこちらへお願いします。 suiheimen@yahoo.co.jp

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