〜スキー教程P.26〜 Chapter1 2 自然で楽なスキーのコンセプト 3)「谷回り」で滑る〜
スキー教程P.25より↓
【「谷回り」は、スキーヤーが谷側へフォールラインを越えて滑降・回転する「一連の身体運動のまとまり」である。これは、身体の重心が谷側の脚を追い越す運動であり、股関節を屈曲(および外旋)させ、身体を積極的に運動方向に導く動きである「谷回り」は、スキーヤーの「重さ」をスキー板の滑降・回転に直接的に活用する、つまり「不安定」による物理的エネルギーの変換である。したがって、一連の身体運動のまとまりとしてとらえられる「谷回り」と、斜面上のスキー板とフォールラインとの位置関係からとらえられる「谷回り」(「山回り」との対比から)とは、「明確に区別されなければならない。】

なんでしょうかこれは?従来から使われている「谷回り」の意味が新教程によって勝手に変更されています(^^)『プルークボーゲン』や『山回り』という言葉をどうしても使いたくないからでしょうか?また上記のように説明しておきながらP.27の「谷回り」とされる写真では一切身体の重心が谷側の脚を追い越したりしていませんね。

【〜〜〜内脚主導がスキーヤーの「重さ」によってターン内向きの力を生起させる〜〜〜】

もはやメチャクチャです。スキー板にどのような力が働き回転へ結びついているのか等雪面抗力についてまったく考慮されていませんね。ひどいものです。外脚に大きな荷重がかかっているのになぜ内脚が【主導】なのでしょうか?SAJの言い逃れ的に【内脚主導】【外脚主働】と書かれていますがこれまたデタラメですね。深く曲げられた内脚がどうやって主導するのでしょうか?身体構造上からも不可能とわかりますね。

◎スキーがターンをはじめるのは・・・
スキー自体は、荷重されつつ前進している時に角付けされればターンを始めます。問題は、どうやって角付けをするかですね。重心移動しなくても角付けすることは出来ますね。膝、あるいは、腰でアンギュレーションをつくれば、重心がスキーの真上にあっても角付けは出来ます。
ところが、重心がスキーの真上にあるままでスキーがターンしてしまうと、重心はそのまま前へ進み、スキーは横へ移動しますから、バランスが崩れます。人間は、それを予測して、重心を(あらかじめ?)移動させていきます。

重心移動を意識して、重心移動に伴って角付けを行うことも、もちろん可能です。むしろこちらの意識の方が普通でしょう。とは言っても、体軸の傾きとスキーのエッジング角が等しい状態で、望ましいターン弧(ターン力)になっているかどうかはわからないので、重心の移動の度合い、あるいは、エッジング角の度合いは調整していかなくてはなりません。

角付けと重心移動のどっちが先かと問うのは、歩く時に足を踏み出すのと重心移動のどっちが先か問うのと一緒です。同時、あるいは、互いに密接に関係している。特に、連続ターンを考えたら、重心の移動と角付けの変化は、常に起こっていますね。

〜傾きはじめる条件〜
よくこんな言葉『早く内傾するために内脚主導で内脚にウエイトをシフトする』を耳にしますが(^^)実際はどうでしょうか?



わかりやすくするために100kgのスキーヤーが背中を向けて青色2台の体重計に両脚均等50kgで荷重しているとしましょう。ここから上記図のように傾いてみます。この時、体重計の「読み」はどのようになるでしょうか?間違えないでいただきたいのは、傾きはじめる時の体重計の「読み」です。傾いて静止してしまってからではありません。

『傾きはじめる瞬間から右脚の体重計の「読み」が増える!』と予想される方が多いのではないでしょうか?
実際はその様にはなりません(^^)

左右の支える力が等しくなくなる(不均衡になる)から傾き始めるので、右足側の荷重が減らなければそもそも傾きません。右足に荷重を残していたとしても、「読み」が減ることが、傾き始める必須条件ですね。ちなみに、左右の不均衡が大きいほど速く傾くことができます(直感的にもわかりますよね)。と言うことは、内足の荷重をゼロ(外足100%)にするのが、一番早く傾きを作ることができます。(なかなか日本の基礎スキー界では信じていただけないでしょうが・・・)下記図も参考にイメージしていただければご理解いただけるかと思います。早く傾くことだけを考えれば内足に荷重を残してとか考えるより、あるいは、谷足に乗ったまま切り換えようとするより、内足の荷重を抜いてしまって外足に100%乗ってしまった状態にする方が楽に早く(速く)傾いていくことができます。しかし実際の滑走では、内側のスキー、ブーツの自重、内脚の自重を持ち上げるのは余計な筋力を使うので、内スキーを雪面からリフトする必要はありません。素早く傾きたければ内側の足の力を抜くでしょうし、素早く重心を横移動したければ外側の足を伸ばしますよね。

ここで注意すべきことは、一旦次の外足に体重を乗せて(外足の上に重心を移動させて)から傾いていくのではなく、内足の荷重を抜くことで傾き始める(重心移動を始める)ということです。


これらの図は、傾き続けていく時の力の働きを示しています。同じ傾きを続けている状態ではありません、このままだと倒れてしまいますが、起き上がってくるのはどういう働きによるものでしょうか?

内足を支えにして踏ん張る??一番右の図くらい傾くことは、普通に滑っていれば十分にありうることですが、ここまで傾いていると、内足で踏ん張ったところでそのまま倒れてしまいます(重心が内足よりも更に内側に入っている)。

実際の滑りでは、外足がターン力(雪面抗力)を受けることによって、身体を起こしていくことになります。





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